温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

アクセスカウンタ

RSS 【第159回】シュワシュワ炭酸水と温泉めぐり 〜湯倉・大塩・玉梨温泉など〜 (福島県・金山町)

<<   作成日時 : 2016/01/11 23:58   >>

トラックバック 0 / コメント 0

画像こんな景色はなかなか見ることができません。日本昔話に出てくるような、龍の形をしたたなびく雲が湖の上に現れて、私たちの来訪を祝ってくれているかのようでした。
ここは、大蛇伝説も残る沼沢湖。

木にも石ころにも湖にも山にもあらゆるものに八百万の神さまが宿る、そんな日本ならではの里山の原風景と、ゆったりとした時間の流れ、地元の人との心温まる出会い……。

奥会津・金山町は、シュワシュワの炭酸泉が湧く、癒しの里。
この素敵な風景が守られているのは、東京から車で4時間〜4時間30分もかかる、
決してアクセスがよいとはいえない、奥会津という場所柄もあると思います。

奥会津・金山町の湯巡りへ
炭酸泉の里・金山町には炭酸ガス成分や炭酸水素イオン豊富な温泉があちこちに湧いています。

〈湯倉温泉〉
画像
湯倉温泉(営業時間7〜20時、協力金200円以上)は只見川沿いにある共同浴場。かつては混浴のひなびた共同湯でしたが、2011(平成23)年の川の氾濫で被害を受け、2014(平成26)年12月に新しくリニューアルして男女別浴室ができあがりました。

pH7.3、ナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉。黄褐色のにごり湯で、湯口に木の樋を置くことで温度を調節しています。

「前は熱かったけれど、いまは入れる」と、地元のおばちゃんたち。温かいコミュニケーションがうれしい、共同湯の原点のような雰囲気が味わえます。

画像一方、すぐそばにある「鶴亀荘」(1泊2食13,000円〈税別〉)は全7室のこぢんまりとした旅館。

今回、ちょっとだけ立ち寄ったのですが、浴室の雰囲気もいい感じ。
泊まったことのある人によると「料理が相当美味しい」とか。
次回はぜひ泊まってみたい。

ただし、共同浴場が新しくなってからは鶴亀荘では立ち寄り湯は受けていないそうです。

〈大塩温泉共同浴場〉
画像38.3℃のぬるめの温泉で、夏場はしじみ汁みたいな色だけれど、冬季には加温して濃いめの茶褐色になる温泉です。

泉質はナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉。以前はかなりひなびた感じでしたがこちらもリニューアルしてむしろきれいすぎるくらいきれいになっていました。地元のおばちゃんたちはきれいになってとてもうれしそうでした。

味は適度な塩分と出汁のような風味がきいていて、「おかゆをつくるとすごーく美味しい」と地元のおばあちゃんは言ってました。共同浴場の営業は朝8時30分〜20時(11〜3月)、7時30分〜21時(4〜10月)、協力金200円以上。

〈大塩の天然炭酸水〉
画像「地獄沢」というところに湧くガス泉は古くから「薬湯」として評判で、明治初期には『太陽水』としてビン詰めの薬として販売されていたそう。

「炭酸場」と書かれた源泉井戸からはシュワシュワの炭酸泉がいまも湧いています。
今回、行ったときには湯量は少なかったのですが、それでも底をのぞき込むと、数秒に1度、プチプチと泡が湧いてくるのが見られます。

蛇口も設けてあって飲泉もできます。

「50年くらい前までは口に含むと我慢できないくらい炭酸味が強かったけれど、いまは微炭酸になった」と地元で育った男性が教えてくれました。子どもの頃はサッカリンを入れてサイダーにして飲んでいたそうです。

この炭酸泉は、1905(明治38)年には「芸者印タンサン・ミネラル・ウォーター」としてヨーロッパにも輸出され、国内では「万歳炭酸水」の名で銀座に直営店まで持っていた、ブランド炭酸泉でした。

〈ご当地スキンケアも誕生〉
画像かつては輸出までされていた、炭酸水が2004(平成16)年に商品として復活し、現在は「奥会津金山天然炭酸の水」として売られています。

3年前には、炭酸水を使ったスキンケア商品(洗顔フォーム、化粧水、美容乳液)が「awaizu」の名前で作られ、地元の土産物屋さんや旅館でも売られています。テクスチャーは“炭酸”を意識して、ご覧のとおり、シュワシュワの泡状です。血行促進&細胞の活性化や毛穴引き締め効果もあるそうですよ。

〈恵比寿屋〉
画像恵比寿屋は、2つの客室がリニューアルされ、貸切風呂も新しくなっていました。貸切風呂は「中井湯」という源泉ですが、2015(平成27)年9月の台風の影響でこの源泉は出なくなり、現在は貸切風呂も、大浴場と同じ玉梨温泉を使っています。

温泉は緑がかった茶褐色でよく温まります。
湯口も、浴槽の床も、オレンジ色に変色して、白くカルシウムが付着し、成分の濃さがよくわかります。

この宿の魅力は家族的な温かいサービス。
料理は、鰊の山椒漬けや、保存食として食べていたくじらのすいとん汁(新潟の塩くじら)、馬刺しはにんにく味噌が添えられていて、会津特有の食材を使ったメニューです。

「奥会津の雪山」と名付けられたジャガイモ創作料理はクリームをかけたジャガイモの中にひき肉が入っていたり、工夫も凝らされています。

〈玉梨温泉共同浴場〉
画像恵比寿屋旅館から歩いていける共同浴場は、八町と玉梨の2つ。

八町温泉共同浴場」(24時間営業、協力金100円以上)は混浴で浴槽は一つ。玉梨源泉+炭酸ガスを含有した「亀の湯源泉」の2本の源泉が注がれていますが、2015(平成27)年9月の台風の影響で泡のつく二酸化炭素泉は止まっているそうです。

恵比寿屋から橋を渡っていった先にある「玉梨温泉共同浴場」(24時間営業、協力金100円以上)は男女別に浴槽が設けられています。

pH6.4のナトリウム‐炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉。成分総計3972r/sと結構濃い成分で、床は茶色の折出物で覆われていますが、源泉から近いのか湯船の温泉は透明です。口に含むと若干の炭酸味を感じます。塩分のあるラムネのような感じ。

散策をしながら、散歩がてら朝湯にちょうどいいでしょう。

〈中川温泉〉
画像最後に立ち寄ったのは「金山町老人福祉センター・福祉センターゆうゆう館」の中にある中川温泉。

pH6.6、中性のナトリウム‐硫酸塩・炭酸水素塩泉。

町営の施設ですが、循環はさせず、源泉かけ流しのいいお湯でした。営業時間は11時〜20時(日曜日は12時〜)。入湯料は300円。


〈おまけ〉
“幻の青ばと豆腐”を食す
玉梨とうふ茶屋

画像昼食スポットとして立ち寄りたいのが、「玉梨とうふ茶屋」。

清らかな「奥会津百年水」と農薬を一切使わずに育てた「青ばと豆」からつくりあげた、翡翠色をした「幻の青ばと豆腐」のほか、生揚げ、おから、ドーナツ、豆アイスクリーム、豆乳などをコースでいただく「玉梨御膳」(2,000円〈税込〉)は食べごたえあり。豆の甘みを引き立てる麹辛子や山塩なども◎。

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。



月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする

ニックネーム
本 文