温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第158回】ものづくりの町、燕と弥彦温泉 〜割烹の宿 櫻家〜 (新潟県・弥彦温泉)

<<   作成日時 : 2015/12/21 16:21   >>

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画像カーン、カーン、カーン。
築百年の木造の母屋に小気味よい音が鳴り響きます。

新潟・燕市の「玉川堂(ぎょくせんどう)」は一枚の銅を叩いて、やかんや急須などの生活用品をはじめ、装飾を施した伝統的工芸品をつくり続ける槌起銅器(ついきどうき)の老舗。来年で創業200年を迎えます。

ついきどうき‐‐。
耳慣れない響きですが、金「鎚」で打ち「起」こしながら、銅器を作りあげていく技術で、国の無形文化財にも指定されています。叩いて、焼いて、打ち縮める‐‐。この動作を20回以上繰り返して1枚の銅板から作品をつくりあげていきます。

均一の厚みでないと穴があいてしまったり、うまく丸くなってはくれないので、すべては職人の経験と勘頼み。急須1個つくるのに、細心の注意を払いながら、職人が10日間ほどかけてつくるそうです。

注ぎ口まで一枚の板で成型する一体型の銅器は40万円ほどする高級品ですが、使っていくことで、さらに深みとツヤが増し、自分だけの味わい深い急須を育てることができる、究極の逸品なのです。

画像染色は、スズをつけたものを「硫化カリウム(硫黄)」の溶液に浸すと、20〜30秒で「紫金色」という玉虫色のような色あいに。また、緑青と硫酸銅の合液で煮込むと「宣徳色」という朱色のような色合いになります。溶液はそば屋の返しや焼き鳥屋のタレのように継ぎ足して使うもので、これが工房の財産なのだとか。「湯の素」が染色の材料に使われていたりして、ちょっとおもしろいですね。

燕の金属加工産地としての歴史は約400年前。和釘づくりを皮切りに、江戸中期にヤスリ、キセルが伝わり、江戸後期に仙台から鎚起銅器の製法が入ってきました。

ステンレスのスプーンやフォークといった金属洋食器や包丁のまち、燕――というイメージがありましたが、スプーンも戦後、鎚起銅器の技術でつくられたものだそうですよ。

これから向かう弥彦温泉がある弥彦山はいまから百年くらい前は銅山で、弥彦山の銅があったからこそ、燕がものづくりの町として発展できたのですね。

神社の麓の神湯
弥彦温泉に泊まる
画像「おやひこさま」の愛称をもつ彌彦神社は、天照大神の曾孫にあたる「天香山命(あめのかごやまのみこと)」をご祭神とする越後一宮。新潟では最も多くの初詣客が押し寄せる歴史ある神社です。最近は縁結びのパワースポットとしても人気です。御神廟のある弥彦山の山頂は、東京スカイツリーと同じ634mの高さがあり、佐渡や越後平野を一望できます。

弥彦温泉は彌彦神社の門前にある温泉で、現在の旅館軒数は10軒。
今回泊まったのは「割烹の宿 櫻家」です。

小ぢんまりとした宿で、肩肘はらずにゆったりと滞在したい人におすすめです。
日本海から届くお刺身や、カキノモトなどの食用菊のお浸しなど地場の食材を使った、料理旅館らしいメニューが膳を彩ります。

画像弥彦湯神社温泉の泉質はpH8・7のアルカリ性単純温泉。

お湯は無色澄明で肌にやわらかです。表示には加水・加温・循環ありとありましたが、塩素の臭いはほぼ感じられない、よく温まるいいお湯。見た目の雰囲気以上にいいお湯でした。温泉は表示だけでなく、入ってみないと分かりませんね。男女別の浴場のほか、貸切家族風呂(50分、1500円)もあります。

弥彦の女将さんたちが作った神社の鳥居をモチーフにした手ぬぐいやポーチ、トートバッグなどのオリジナルグッズがあまりにかわいいので購入しました。染めものやの娘さんがデザインを担当されたそうです。なかなかステキな柄だったので、来年のわたしの湯めぐりバッグにしようと思います。こんなバッグで湯めぐりしたら、ほっこり、幸せな気分になれそうです。

画像割烹の宿 櫻家
新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦1043‐41
●全16室
●IN 15時/OUT 10時
●1泊2食12,000円(税別)〜
●日帰り入浴 不可

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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