温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第155回】「初恋りんご風呂」とワインに恋しちゃう 〜中棚荘〜 (長野県・中棚温泉)

<<   作成日時 : 2015/11/13 23:48   >>

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画像ぷかり、ぷかりと浮かぶのは、真っ赤なりんご。
ほおずりして、一口ガブリといきたいくらい、いい色と香り。
鼻先に近づけると、ほんのり甘酸っぱい匂いがして、思わずにっこり微笑んでしまいます。

島崎藤村ゆかりの宿で
初恋の味を思い出す

ここ、中棚荘はすぐそばを千曲川が流れる小諸の宿。
島崎藤村が教師として小諸にやってきたときに何度も通った宿で、小諸時代の随筆『千曲川のスケッチ』にも登場します。

島崎藤村にちなんだ、名物「初恋りんご風呂」は信州名産のりんごを1つの浴槽に40〜50個浮かべ、りんごと一緒に入浴できるお風呂。うーん、贅沢!!

このお風呂、10月〜5月GW頃までの限定で、りんごを浮かべる温泉は、アルカリ性単純温泉。無色透明。pH8.6なのでつるつるとして、お湯だけでも十分魅力的な泉質なのに、そのうえ、りんごをプラスしちゃうとは!!!

畳敷きの脱衣所で浴衣を脱げば、すぐ横が内湯。露天風呂は手前が42℃くらいの加温した湯、奥は源泉そのままのぬる湯で打たせ湯になっています。

ぬるめの湯は皮膚表面に泡もついて、とっても気持ちがいい。体のこわばりがほどけていく、いいお湯でした。
(内湯は循環かけ流し、湯口(石臼のところ)からは源泉、露天風呂は加温かけ流し)。

主の夢が花ひらく
オリジナルワインが今年も!

画像前に行ったときにはぶどう畑に連れていってもらったこともあったので、荘主、富岡正樹さんがワイン用のぶどうを育てて、ワインを造っているのは知っていました。

でも、「ぶどうを栽培してワインを造る」ということがそんなに大変なことだとは知らなかった……。毎日毎日、畑に出て、土壌の整備をしたり、ぶどうの木を剪定したり、枝葉を手入れしたり。宿をやりながらぶどう栽培なんて、到底無理な話のはず。ワインにこだわる宿は多いけれど、ハウスワインを造る宿がそうないのも、一朝一夕でできることではないからでしょう。

富岡さんが自社農園の一角でワイン用ブドウの栽培を始めたのは2002年のこと。場所は標高830mの御牧ヶ原台地。このあたりは「『白土(はくど)ばれいしょ』というじゃがいもが特産ですが、この土地をぶどう栽培にと転用します。マンズワインから指導を受け、シャルドネを植え始めたのが最初で、はじめは周囲のみんなから、「大丈夫か?」と言われたそうです。

画像この日の夕食メニューは、ポン酢でいただく豚しゃぶや、太刀魚と茄子の朴葉焼き、蟹サラダ仕立ての酢の物など。

白のシャルドネ(樹齢15年)と赤のメルロー(樹齢5年)をいただきましたが、和食にもぴったり。白の味が時間の経過とともに丸くなっていくのに驚きました。

じゃがいもに適した、粘土質の土壌で育ったぶどうはふくよかで、タンニンがまろやか。
醸造した醤油や味噌など繊細な和食の味によく合うんだそうです。

中棚荘は親子の仲がいいのが特徴的で、みなさんお宿に戻られて、サービスや料理など得意分野でこれからの宿づくりを担っていますが、一番お若い三男の隼人さん(25歳)は東御市にできたワイナリー&アカデミー「アルカンヴィーニュ」でワインの栽培、醸造、経営を学んでいらっしゃるそうです。お父さんの夢を引き継ぐ息子さん、娘さんたちがいて、宿の未来も明るい! 宿屋を形づくるのはやっぱり人だと確信するとともに、ほっこり温かい気分になった1泊2日でした。

中棚荘
長野県小諸市古城中棚
●全27室
●IN 14時/OUT 11時
●1泊2食11,000円〜(消費税・入湯税別)
●日帰り入浴 可(1000円、11時30分〜14時受付)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。


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