温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第152回】こけしの里の癒しの湯〜 風望天流太子の湯 山水荘〜 (福島県・土湯温泉)

<<   作成日時 : 2015/09/30 12:54   >>

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画像ロビーで出迎えてくれるのは、長さ3メートルの日本一の巨大こけし。
「イタヤカエデ」でつくられたこのこけしは、「土湯こけし祭り」30周年にあわせてつくられたもので、もう一体は街中に展示されているといいます。

愛らしい「こけし」は、木製の生活道具をつくる「木地師」が子供の玩具としてつくったのが始まりで、湯治客の土産品として販売されるようになった温泉街の名物です。

「土湯こけし」は「鳴子こけし」「遠刈田こけし」と並び日本三大こけしのひとつで、細身の胴に縞模様のろくろ線が描かれているのが特徴だそうです。

土湯温泉の開湯は1400年以上前。2つの神話が残っています。
一つは、「国造りの神・大穴貴命(おおあなむちのみこと)が陸奥の国に下るときに荒川のほとりを鉾で突き、湯が湧いたことから「突き湯」と呼ばれるようになった」という話。

二つめは、「用明2(587)年、聖徳太子の命により天皇の病回復祈願と仏教布教のために旅をしていた秦河勝が旅の途中、半身不随の病に冒され、夢枕のお告げによって温泉を発見した」というもの。

長い歴史のある土湯温泉が湯治場として栄えたのは、いくつもの宿を支えるに足る豊富な源泉を持つ温泉地だからこそ。温泉地全体で源泉の数は70カ所ほどもあるといいます。

2011年の東日本大震災後の原発事故の影響で、16軒のうち5軒の宿が休廃業しましたが、老舗宿「山水荘」にはこの日も多くのお客がいました。

深さも温度も景色も違う
複数の風呂が揃う

画像山水荘のお風呂は6階の大浴場「淵の湯」「瀧の湯」と1階部分に大浴場「たまゆらの湯」「つれづれの湯」。さらに、混浴の露天風呂「太子の湯」のほか、貸切風呂(有料)が5カ所もあり、すべて源泉かけ流しです。

まずは大浴場の「淵の湯」へ。
浴場は上下階に分かれていて、下階には、「深湯」と「浅湯」、樽の露天風呂、さらに階段をあがった上階には水車が見える「ぬる湯」、外の景観がみえる「みはらしの湯」がありました。

浴槽の温度、深さ、眺めがそれぞれ考えられていて、なかなかに入り心地のよい湯船です。

浴槽の深さは、深湯は90cm、浅湯は55cmで、深湯に入ると身長の高い人でもあごまでどっぷりと浸かれて満足感が得られます。泉質は単純温泉ですが、細かい湯花が散っていて、無色透明ながら、個性が感じられる素敵なお湯でした。

外に出て、樽風呂に浸かると眺めも最高!
遠くの山々と緑、それに滝を落ちて流れる荒川の流れが見えます。

訪れた日は雨が降った後でしたので、夕霧に煙る山が水墨画のようで、風情ある景色が眺められました。しばらくぼうっと眺めていたい景色でした。

画像この宿には混浴の露天風呂「太子の湯」があります。
これだけ浴槽の数があると、混浴露天風呂の存在に気付かずに帰ってしまうお客様も多いのではないかと思いますが、実はここからの眺めが最高。ことに紅葉、雪見が良さそうです!

混浴風呂というのは新設するのが難しいものですので、湯治の歴史を持つ泉質の優れた宿でないとあまり見かけません。この規模の旅館で混浴風呂が残っているというのは、東北の老舗宿ならではだと思います。ぜひともこの風呂に入って帰ってくださいね。
さらにさらに、温泉水を使用したプールも隠し(?)持っていて、湯量の豊富さを物語っています。

さて、お料理はというと、夜は会席料理、朝はバイキングで、いずれもとっても気を使っていてヘルシー。

夜の会席ではお造りにイワナが入り、鍋ものには川俣シャモの豆乳コラーゲン鍋、留椀は芋がらや舞茸、里芋などの入ったこづゆ、香の物は東北ならではの三五八漬け……と郷土の味をたっぷりと堪能できます。

朝も豆苗と鶏肉のゴマドレッシングサラダや、3種のスムージー、ふるさとの味コーナーがあるなど、ヘルシーな雰囲気でなかなかよいです。

風望天流太子の湯 山水荘
福島県福島市土湯温泉町油畑55
●全71室
●IN 15時/OUT 10時
●1泊2食12,000円(消費税・入湯税別)〜
●日帰り入浴 可(800円、10〜15時)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。


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