温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第148回】足元から湧く奇跡の湯 〜名泉鍵湯 奥津荘〜(岡山県・奥津温泉)

<<   作成日時 : 2015/07/30 09:59   >>

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画像足元は平坦じゃない。大きいの、小さいの、丸いの、ごつごつしたの、黒いの、白いの、青いの。

でこぼこの石の上で、座り心地のよさそうなところを見つけて、座る。無色澄明な湯のなか、岩の隙間からぷくぷくと湯玉が立ち上ってきます。

殿様も入った「鍵湯」、
立って入る「立湯」で湯三昧

ここは美作三湯のひとつ、奥津温泉。

「鍵湯」はその昔、お殿様が入った温泉で、足元から温泉が湧くその場所に湯船があります。だから、湧きたてで、新鮮。泉質はソフトなのだけれど、フレッシュな湯だけがもつパワーが詰まっていて、ひとたび入れば、からだの細胞が生き生きと元気になってくることに驚きます。

湯に浸かると、つるつると肌が磨かれていく感じ。全身の細胞が蘇っていく気分です。

画像泉質名は「単純温泉」。無色透明で一見、特徴はないように見えるのですが、入ると違いが分かります。pHは測るときで変わるそうですが、9.0〜9.5。アルカリ性の温泉です。

浴槽は華美ではないけれど、昔ながらのタイル貼りでとても気持ちがいい空間です。
浴室へと向かう階段下の壁面には、昭和2年の創業当時のままのタイル絵も残っています。
飲泉所のタイルの一部もその当時のままのものが残されていて、素朴ながら遊び心のある左官さんの手仕事を身近に見ることができます。

客室も木造ならではの温かみのある空間。
この宿は棟方志功ゆかりの宿で、志功が昭和20年代に訪れた際に、宿賃代わりに創作した版画や焼きものなどの作品が残っています。

若旦那によると、「うちに来て鯉こくばかり食べていたそうです」とのこと。

画像2室しかない露天風呂付き離れの部屋は一風変わっています。

お湯はかけ流しに加え、部屋の横には美湯神社を建立したときにご神木として植えられた、樹齢848年の荘厳なイチョウの木やケヤキの大木もあります(現在、美湯神社は合祀され、別の場所に)。

同宿した料理研究家の女性は、「この部屋、とっても気の流れがいい!」と感動していました。

名物「そずり鍋」で
旬の野菜をいただく

料理はすべて温泉で調理されています。
アルカリ性の温泉水で調理することで、「食材の味が美味しく引き出される」(料理長)とのこと。

画像厨房にお邪魔すると、ころんと丸い急須がかかっていたり、木の戸棚のなかに大切に大切に使われてきた年代ものの食器が並んでいたり。素朴で、堅実なこの宿の雰囲気が厨房からも伝わってきました。

料理のメニューは、季節によって、ウナギやヤマメ、モロコなどの川魚、猪、鹿、ムジナなどのジビエ料理など変わった食材も出すそう。

なかでも記憶に残ったのが、「そずり鍋」。地元・津山の郷土料理で、骨のまわりを削った肉でとった鰹出汁に、黄ニラなど地元の野菜7種類、きのこ、豆腐、糸こんにゃくを入れた鍋。一般的な「そずり鍋」はしょうゆか味噌で味が濃いそうですが、奥津荘のものはヘルシーな味付けに仕上がっていて、美味しいお鍋でした。

4月末〜8月のお盆のころまで、カジカ蛙が鳴き、6月にはホタルとのマリアージュも楽しめるそうです。

奥津荘
岡山県苫田郡鏡野町奥津48
●全8室
●1泊2食22,000円(税別)〜(休前日+2,000円)
●IN 15時/OUT 10時
●日帰り入浴 可(1,000円、10時45分〜14時30分)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。


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