温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第143回】ミルキーブルーの魅惑のにごり湯 (福島県・高湯温泉)

<<   作成日時 : 2015/05/15 12:10   >>

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画像太陽の光にきらきらと輝く、ミルキーブルーのにごり湯。色がキレイなだけではありません。

古くからの湯治場である高湯温泉の魅力はお湯そのもの。

神経痛やリウマチ、皮膚病などに効果的といわれますが
最近ではモニター調査によって、

「免疫力が高まって体を健康に導いてくれる」
「アンチエイジング効果が高い」

ということもわかったそうです。

高湯の温泉の威力を解明するべく、高湯温泉観光協会の永山博昭事務局長が毎週日曜日と祭日10時〜行っている「源泉ツアー」に同行しました。

震災後も変わらぬ湯の威力
“還元力”でアンチエイジング

1959(昭和34)年に磐梯吾妻スカイラインが開通するまでは、農閑期に米や味噌を背負って、多くの人々がやってきた昔ながらの湯治場。昭和30年代にはゴルフ場やスキー場もできましたが、「硫化水素ガスの影響でコンクリートの旅館は建てられずに木造中心。全国で旅館がビルディング化するなか、銀行が相手にしなかったということもあって、細々とやってきた」(永山さん)。お蔭で素朴な温泉街の風情がいまも残り、温泉の薬効の高さも守られています。

画像東日本大震災後の原発事故の影響で、福島県内の温泉地は軒並み旅行者数が激減していますが、お湯の良さで売ってきた高湯温泉は、震災前に宿泊者数11〜12万人だったのが「2割減」に止まっている状況。旅館を営んでいる経営者の方々にはご苦労が多いことと思いますが、いまも昔も変わらず、こんこんと湧き続ける湯と、変わらぬ笑顔で迎え入れてくれる地元の人の優しさがこの地の魅力です。

湧き出たときには無色透明。これを施設に引湯するまでの間ににごり湯になるわけですが、宿までの引湯管は途中でお湯を揉み、温度調節などをしているのがポイントです。
しかも、9軒の宿が持つ53の浴槽すべてで、加温も加水も循環もしていない、源泉かけ流しを楽しめます。

さて、「源泉ツアー」では高湯26番 滝の湯源泉のそばまで近づきます。
この源泉はひげの家、旅館玉子湯、のんびり館に引湯している源泉で毎分800リットル。9カ所の源泉のなかでも最も湧出量が多い源泉です。

「源泉付近には温泉ガス(硫化水素ガス)が発生する恐れがあります」という接近警告の看板もあるので注意しながら歩きます。

画像高湯の歴史、源泉の使われ方などを話しつつ、
永山さんが取りだしたのは、殺菌力のあるうがい薬の「イソジン」。
これで実験をするといいます。
酸化剤の代表選手であるこの「イソジン」を数滴たらした水は茶色。
ここに、還元力の高い高湯温泉の源泉を入れると、あ〜ら不思議! あっという間に透明になっちゃいました。

これが何を意味するのかというと、
高湯の温泉が、「還元力の高い水で、酸化したものを取り去る力がある」(永山さん)ということ。
私たちの体は生きている限り、「老化=酸化」していくわけですが、この「酸化=サビ」を取り去ってくれる、アンチエイジング効果が高い温泉ということなんです。

いやいや、すごいですね。
永山さんのお話で、とくに印象に残ったのが、
「温泉の成分が効くのだと思っていたら、温泉水そのものに効果があった」という話。
だからこそ、温泉街あげて、湧き出してきたままの新鮮さで源泉を湯船に注げるよう、努力をしているのですね。

ちなみに、お客様の声で多い高湯の効果はというと……、
●糖尿病の人は目に見えて血糖値が下がる ●関節痛の痛みがとれる ●アトピーがよくなる(合う人と合わない人がいるが、合えば一晩でジュクジュクが乾く人もいる)
とのこと。pH2.6〜2.8程度の酸性の硫黄泉。皮膚病にはとくに効果的なんだとか。

最後に、高湯の面白情報をいくつかご紹介しますね。

【@ 湯めぐり御朱印帳】
画像高湯に来たら、ぜひこれを! 
普通の湯めぐり手形ではなく、なんと「宿泊」の手形なんです! 

宿に泊まるごとにスタンプを押印して、集めたスタンプの数によって、5個で手ぬぐい、10個で湯桶、15個で法被などの景品がもらえます。
宿泊施設9軒と共同湯「あったか湯」で販売。

木のぬくもりが伝わってくる素敵なデザインなので、観光の記念にもなりそうですね。
料金は1800円。


【A 玉子湯の看板】
画像明治元年創業、
茅葺の湯小屋がひなびた風情の「旅館 玉子湯」はスカイラインが開通する前は自炊専門でしたが、開通後は観光旅館に。

もとは「旅館 玉屋」という屋号だったそうですが、温泉の名称「玉子湯」の方が有名になり、旅館名も「玉子湯」に改名したそう。

その名残が玄関の看板に残っています。

「戦後、看板をひっくり返して『玉子湯』と掘ってもらった」
と社長の後藤省一さんが看板を見せてくれました♪







【B ぬる湯へGO!】
画像「静心山荘」の温泉はほかとちょっと違うので、ぜひ立ち寄ってみてください。
源泉温度43℃、湯船では40℃くらいのぬる湯です。

春は一気に雪解け水が混じり、温度はよりぬるくなるそうで、訪れた4月17日は38℃くらいだったでしょうか。

ねばりのある粘土質の温泉で、足元には湯泥が沈んでいて、泥パックもできます。

立ち寄り入浴は10〜16時、400円。
1泊2食8500円(消費税、入湯税別)〜。


【C あったか湯の工夫】
画像共同浴場「あったか湯」は引湯距離が60メートルと源泉から最も近い施設。

浴槽に湯を注ぐ木の樋がすごく長いのですが、これは、硫化水素ガスを抜気し、温度を下げるための工夫。硫化水素ガスは浴槽で20ppm以下にしないといけないという決まりがあるそうです。

毎週木曜が清掃日なので金曜朝イチは透明に近い一番湯が楽しめます。




【D 吾妻屋の内湯】
画像吾妻屋の遠藤淳一さん、玲子さんご夫妻には本当にお世話になっています。

自然のなかで湯浴みができる露天風呂も素敵ですが、昨年リニューアルした内湯がなかなか素敵! 

内湯へと続く廊下にピンク色の桜の花の壁画が描かれていて、目を奪われます。

お酒を酌み交わしつつたくさん話はしたのに、なぜ桜を描いたのか、内湯を作った思い入れなどなど、大事なことは聞かず仕舞い(笑)・・・

そのへんはまた、次回ということで・・・。






【E 高原荘で昼食を!】
画像岩魚をはじめ、たらの芽やふきのとう、行者にんにく、うど、ふき、ぜんまい――。

春の山の幸満載の昼食が食べられるのが、高原荘さん。ただし、原発事故後は地元の山菜、きのこ類は使えなくなってしまったとか。

「線量計で測っても、東京と変わらないくらいの数値しか出ないけど、ダメなの」
と元女将の荘司久子さん。なんとも、やるせないですね。

その家だけの味付けがそれぞれあるのが田舎の良さ。素朴で美味しい定食が食べられます。
「嫁に来た当初は山菜・きのこのいろはも知らず、お客さんに出せるようになるのに10年かかった」のだとか。

いまはスーパーで食材を調達しなければいけないし、山菜は3回くらいに分けて味をつけるから、結構手間がかかって、以前の1,200円の料金では到底、合わない。

それでも、「どうしても食べたい」という人のために、1週間前の要予約、1,500〜1,600円程度で受けてくれるそうです。

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。




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