温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第115回】料金はお客が決める 〜 はづ別館〜 (愛知県・湯谷温泉)

<<   作成日時 : 2014/03/12 16:35   >>

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画像満足度で宿の料金を決めてもらう――。
こんな面白い宿があるのを知っていますか?

開湯1300年といわれる湯谷温泉は、JR豊橋駅からローカル線で約1時間。

愛知県の温泉は、首都圏からのアクセスはあまりよくないという思い込みがあったのですが、首都圏の自宅を11時頃に出れば、チェックイン前に到着できました。湯谷温泉は名古屋エリアのみならず、首都圏からも行きやすい温泉場でした。

バスに乗り換える必要もなく、駅から歩いてすぐというのも魅力です。
駅前旅館、といっても駅自体がとても小さくてのどかな雰囲気。土・日・月曜以外は無人駅で、周辺は自然がいっぱい。とにかく風光明媚です。
宿のすぐ横を宇連川(うれがわ)が流れ、窓の外には野趣あふれる渓谷美が広がっています。

川沿いの露天風呂に
茶褐色の湯をかけ流し

宿に着くと、笑顔が素敵な女将、加藤慎子さんが出迎えてくれました。
宿をスタートしたのは、昭和24(1949)年。船大工だった女将のお父さんが木造船の買い付けでこの地を訪れたのがきっかけで、この宿が1軒目です。

本館があるわけではなく、洒落た感じで「はづ別館」と名付けたそうですが、民芸調の趣あるロビーはいまの時代も古びることなく、しっとりとした情緒があります。いまでは「はづ合掌」「はづ木」「湯の風HAZU」「和のリゾートはづ」とグループの旅館も増えました。

通されたのは、5階「ODAMAKI」のお部屋。
10畳の本間と6畳の次の間、4.5畳の茶室と広縁のある豪華な特別室。窓の外には、ごうごうと流れる、宇連川が間近に臨めます。

画像愛知にはあまり温泉のイメージがないですが、湯谷温泉のお湯はかなり濃いにごり湯です。泉質は「ナトリウム・カルシウム‐塩化物泉」。2008年に新源泉(7号泉)が湧出、成分総計は3094r/ℓもあるといいます。客室数の少ない「はづ別館」と「はづ木」では加温はしているものの、かけ流しで使用しています。

湯は、光の加減によって、黄土色〜黄緑〜深緑にみえる濃厚な茶褐色。浴槽の縁の石も茶色に変色しています。風呂は、川を望む「庭園露天風呂」と「民芸ひのき風呂」、「鳳液泉風呂」の2カ所が男女入れ替え制。

そもそも、この宿がお客様に料金を決めてもらうシステムを導入したのは昭和57(1982)年から。32年前の話です。当時は他の宿が鉄筋コンクリート化しだした時期で、リニューアルできない宿の苦肉の策だった、といいます。

画像お寺にお布施で泊めてもらうのを真似て、スタートしました。当初はそれだけで話題になり、多くのお客様が来ましたが、ネット予約隆盛の時代になると、料金設定をしなければ、予約がとれない。そんな時代背景にあわせ、昨年から、週末と繁忙期の8月には料金設定もし始めました。

チャレンジ精神旺盛な宿らしく、心配りが随所にされていて、とても心地よい滞在ができました。

忌野清志郎さんが自転車で走ったというサイクリングロードや紅葉に色づく鳳来峡など、季節を変えてもう一度訪ねてみたい温泉地です。

はづ別館
愛知県新城市豊岡字滝上11−4
●全13室
●料金はお客さまが決定(週末、繁忙期の8月は除く)
●IN 15時/OUT10時
●日帰り入浴 可(1000円、バスタオル付き1200円、11〜17時)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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