温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第113回】肘折宿めぐり 〜四季の宿 松屋、丸屋旅館ほか〜 (山形県・肘折温泉)

<<   作成日時 : 2014/02/12 18:48   >>

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一人でも泊まれる湯治の宿を思い浮かべるとほとんどが一軒宿ですが、ここ、肘折温泉は湯治場だから、一人客にやさしい温泉街。約20軒の宿のほとんどが1人旅を1泊3食5000円程度の低料金で受け入れ、長期滞在をするのにぴったりです。

洞窟風呂のある宿
四季の宿 松屋

画像ごつごつとした岩窟の中にある、「洞窟(あな)風呂」。
建物の一番奥にその風呂はありました。

「電気がついてないと真っ暗だから、電気をつけてください」
そう、宿の人に助言をもらって、電気をつけて、洞窟の中を行きます。
一人で洞窟の中を歩くのはちょっと怖い気もしますが、探検のような気分でワクワク感も高まります。

身長170センチの私だと、少し屈まないと頭がぶつかってしまうくらいの高さ。くねくねと曲がった洞窟の中を歩いていくと、目の前に、四角い浴槽がありました。

ホームページには「大正時代に職人たちによって掘られた約40メートルの手彫りの洞窟風呂」とあります。

午後3時。
まだ外は明るい時間帯なのに洞窟の中は暗くて、一人だとちょっと怖いくらい。
四角い浴槽はタイル、湯船の縁は木製で、2人か3人入ればいっぱいになるくらいの小さな浴槽ですが居心地はよく、竹の湯口から温泉が注がれていて、風情もあります

「男女別の浴室と同じ温泉が注がれています」といった注意書きもありましたが、洞窟風呂の湯は透明度が高くて、違う湯にも思えます。

洞窟の中は静かなのかと思ったら、ポンプアップする音なのか電気音がして少々興ざめ。
あんまり静かすぎるのも怖いから、このくらいがちょうどいいのか??…

15時〜と19時〜の2時間は女性用でそれ以外は男性用ですが、宿の人に言えば、貸し切りにすることもできるそうです。

一方、男女別の浴室には、緑がかった茶褐色のナトリウム‐塩化物・炭酸水素塩泉が注がれています。浴室の床はオレンジに変色し、成分の濃さが感じられます。

夕食はえび、しめじ、大葉の天ぷら、かつおと甘エビ、サーモンの刺身、まいたけ、たけのこ、がんもの煮物、なめこと大根おろしの菊花和え、海老しんじょうの吸い物、肘折かぶときゅうりの漬物、きくらげとぬたの胡麻和え、岩魚の焼魚など。

料理少なめのプランでしたが、これで十分! 
客室は6畳+広縁ですが、部屋の中に洗面所とトイレもあって快適。これで7,000円弱で泊まれるとはリーズナブル。お得に宿泊できました。

四季の宿 松屋
山形県最上郡大蔵村肘折温泉
●18室(自炊5室、トイレ付き13室)
●1泊2食8,150円〜、湯治(料理少なめ)6,750円〜、自炊4,950円〜
●IN 13時/OUT 10時
●日帰り入浴 可(14〜18時、300円)

おしゃれなモダン宿
丸屋旅館

画像のれんに“湯治の宿”と記されているけれど、最も湯治宿のイメージから遠いのが、「丸屋旅館」。宿泊料金も1室2名利用で一人15,900円〜と、湯治宿と比べたら2〜3倍の料金設定。でも、ほかの温泉場だったら、こんな素敵な宿にこの料金では泊まれませんね。

明治初期創業の老舗宿ですが、「湯治から脱却するための改装」を行ってから5年、モダンな雰囲気の宿として人気です。「日本秘湯を守る会」の宿にも加盟しており、年間4〜5回訪れるリピーターも多いそうです。

木造の風情ある造りを演出しながら、中は快適に。
若い人にも受け入れられる、現代湯治の宿といえるでしょう。

貸し切り風呂の「幸鶴の湯」は共同3号源泉で少し透明な湯。
男女別内風呂も風情があります。

客室は1室1室設えが異なり、どの部屋もレトロモダンで洗練された雰囲気です。
一人宿泊の場合は2万円程度になってしまいますが、一人でも宿泊可能ではあります。

ちょっと大人の雰囲気を味わいたい人、カップル、ご夫婦などにお薦め。
12歳以下はお断りの宿です。

丸屋旅館
山形県最上郡大蔵大字南山519
●7室
●1泊2食15,900円〜
●IN 14時/OUT 11時
●日帰り入浴 可(男女別浴場500円、貸し切り風呂30分1,500円、12〜15時)

≪おまけ≫
画像ほかにも、ガラス越しに高級金魚が5匹ほど泳ぐ「金魚湯」がある「旅館 西本屋」( 立ち寄り入浴300円、9〜18時)、日本秘湯を守る宿の肘折2軒目の宿「湯宿 元河原湯」(立ち寄り入浴500円、14〜16時)に立ち寄りました。

西本屋旅館のお湯は濃いグリーン系の黄土色で、温度も高め。冷えた体にじんじん響いてくるいい湯でした。元河原湯は16室のうち、銅山川を見渡す客室が9室。貸切風呂の「かわら湯」は自家源泉の元河原湯源泉を加温して信楽焼の湯船に注いでいます。

温泉街には、共同浴場の「上の湯」(250円、旅館宿泊者は無料)があります。
切り石が敷き詰められた四角い浴槽で、湯口の上にはお地蔵様が祀られ、「肘を折った老僧がこの湯に浸かって傷を治した」という温泉の由来が記されています。

源泉温度69℃、pH6.5のナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、床までみえる無色透明のさっぱりとした温泉は肘折の旅館とは湯の質が異なります。

お昼どきにいくと、先客はいませんでしたが、あとから来た60代と思われるご婦人と話することができました。聞けば、東京から4泊5日の湯治プランを利用してやってきたといいます。
「肘折の湯が一番合っているから、いつも年始はここで過ごすことにしているの」。
いつも決まった時期に訪れる、お気に入りの温泉場があるというのはいいですね。

肘折温泉といえば、雪が融けるGWの頃〜名物の朝市もスタートします。
朝6時に起きて、朝市で新鮮な山菜や野菜を買い込んで、自炊をする。
昔からずっと変わらぬ湯治場の風景がそこにあります。

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
昔ながらの東北の湯治宿、いいですねぇ。
料金的にもリーズナブルなところが多いので、大好きです。
近頃は「耐震性」などの理由でお金をかけなければならず、
止む無く歴史的な建物を建て替えたり、閉館してしまったり。
このあたり、何とかならないものなのかな・・・?

穴蔵のお風呂、怖そうだけれど楽しそうですね。
きらりん
2014/02/22 19:24

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