温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

アクセスカウンタ

RSS 【第85回】地獄を臨む老舗の宿 〜雲仙宮崎旅館〜(長崎県・雲仙温泉)

<<   作成日時 : 2012/12/20 17:05   >>

トラックバック 0 / コメント 0

車を降り立つと、硫黄の香りがぷーんと漂い、温泉への期待感も高まります。ここは、昭和9年に瀬戸内海や霧島とともに日本で最初に国立公園に指定された自然豊かな場所です。

岩肌と立ち昇る蒸気
“生きている地球”を実感


画像宿に入り、チェックインを終えたら、すぐに出かけたいのが、「地獄観光」。
遊歩道が整備されているので、気軽な散策が楽しめます。

ゴツゴツした岩が積み重なり、岩の間からは98℃くらいの高温の温泉や蒸気がいたるところから湧き上がっていて、ワイルドな景色が目の前に広がります。ぐるりと張り巡らされたウッドデッキは歩きやすく、すべて回っても1時間〜1時間30分ほど。

辺りには硫黄の香りが立ちこめ、あちらこちらから、もうもうと上がる白い噴煙は、さながら、地獄の様相。「大叫喚地獄」「お糸地獄」「清七地獄」など約30もの地獄があります。

1310年前、高僧・行基によって開かれ、女人禁制の霊山として栄えた雲仙。
かつては「温泉」と書いて、「うんぜん」と読んでいた歴史もあり、温泉とともに生きてきた地でもあります。あちこちから温泉やガスが無数に湧き出しているわけですから、源泉数というのもあってないような数字ですが、現在、許可を受けている源泉は40〜50本(環境省雲仙自然保護官事務所)。もちろん、自噴。温度も高温。源泉によって泉質も若干違いがあり、宿によって、温泉の色が透明だったり、白く濁っていたり、赤みが強かったり、それぞれ異なるので、入り比べてみるのも楽しいかもしれません。

これぞ、老舗の宿!
和の心に触れる

本日の宿は、「雲仙宮崎旅館」。
昭和4年創業の老舗宿で、1000坪の敷地に美しい日本庭園が広がっています。
客室はこの日本庭園を眺める庭園側と、もうもうと噴気が上がる雲仙地獄を眺める地獄側にあり、庭園内にも源泉が湧き出す「坊主地獄」を見ることができます。

この宿の魅力は、老舗ならではの安定感のあるサービスと料理、そしてやはり温泉でしょう。

画像晩秋のある日の料理は‥‥‥
夕食のお刺身は、地元小浜・橘湾から届いた新鮮な4点盛り(ヒラメ、タチウオ、カンパチ、サザエ)

菊花と自然薯の雲丸、青味、柚子の吸い物

前菜は松茸と青ズイキのゴマクリーム掛け、赤貝と山芋とろろ、蟹とオクラ菊花和え、鱧湯引き、烏賊松風、吹き寄せ、むかご、穴子巻き、くわい

島原のジャガイモを使った長崎牛コロッケ
−−など。
上品な味わいで箸も進みます。

なかでも、ご飯は、県産の特選米『にこまる』。
なんと、社長自ら選んだのがこのお米で、
「ブラインドテストで比べて、味、香り、食感すべてに納得したお米が実は地元のお米だった」と宮崎高一代表取締役は胸を張ります。

画像宮崎旅館は、お湯にもこだわりがあります。
浴槽では青味がかった乳白の湯で、舐めると酸っぱく、泉質は、酸性単純温泉。
pH2.0の酸性ながら、含まれる成分の影響からか、肌への刺激はあまり感じず、むしろ、しっとりとまろやかです。

宮崎旅館では、源泉管理だけを行う湯守を2人置き、いい湯の提供にこだわっています。

「お湯の状況は自然環境に左右されます。今年は雨が多かったので、今が一番、質がいいですよ」と湯守の峰俊春さん。
源泉かけ流し。70℃ある源泉に山の水を加えて適温に。
「お客様に新鮮な湯に入っていただきたい」と、毎朝10時に浴槽水を完全に抜いて、14時30分までに貯めるという作業を毎日欠かさず行い、清掃を徹底させています。そのために、日中の立ち寄り湯は受けていません。
湯を大切にする宿ならではの心意気が感じられる宿です。

雲仙宮崎旅館
長崎県雲仙市雲仙温泉320
●全98室
●IN 13時/OUT 11時
●1泊2食19,050円〜
●日帰り入浴不可

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

月別リンク

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする

ニックネーム
本 文