温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第77回】天然とらふぐと地魚が旨い〜和味の宿 角上楼〜 (愛知県・渥美半島伊良湖岬)

<<   作成日時 : 2012/08/16 00:18   >>

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「天然とらふぐが食べられるレトロな宿」として人気のこの宿。
知りあいのカメラマンから薦められてここ数年ずっと気になっていたので、名古屋での仕事ついでに、ちょっと足を延ばして渥美半島までやってきました。

純日本旅館の落ち着きと
ふぐ・地魚料理が人気

画像松の一枚板の廊下、ロビーの格子窓からさしこむやわらかな光、ケヤキの階段、木製の木枠と昭和レトロガラスのゆらぎ‥‥‥。

ふるさとに戻ってきたかのような温かみを感じるのは、木造建築の宿ならでは。玄関をくぐった瞬間から、そこかしこに、心和む優しさが溢れています。

訪れたのは夏。蚊取り線香と風鈴が似合う季節です。

創業は昭和元(1926)年。木造2階建ての本館と、平成17(2005)に増築した全室露天風呂付きの別館「雲上楼」「翠上楼」、さらには平成22(2010)年8月、150メートルほど離れた古い木造旅館を買い取って、伝統と革新を融合させた「浪漫の宿 井筒楼」もオープンしています。

昔ながらの木造旅館を大切に守り、今に至るのだろうと思っていたら、現在のスタイルになるまでには、試行錯誤もあったそうです。

画像東京で化粧品会社のサラリーマンをしていたご主人の上村純司さん(50歳)がこの宿に帰ってきたのは平成5(1993)年、31歳の時。当時は、「カビ臭くて、廊下はべとべと。お化け屋敷みたいだった」そうで、それから数年は、小さな改修を加えながら、少しずつ、理想の宿へと近づけるべく、努力を重ねてきました。

お客さんが多く訪れるようになったのは、平成11(1999)年にふぐを出すようになってから。渥美半島は天然のとらふぐ漁獲高が日本一。禁漁期間もないので、年間を通じて、天然のふぐを提供することができるそうですが、それまでは、下関や中央市場に流れ、周囲にふぐを出す宿はなかったそうです。

渥美半島・伊良湖は地魚の宝庫でもあるので、伊勢海老やアワビ、岩牡蠣、桜鯛、クエ、のどぐろなど、三河湾で獲れる新鮮な海の幸をたっぷりといただける「地魚プラン」ももう一つの柱。

画像この日は「地魚プラン」での宿泊。
夕食でいただいた地魚は‥‥‥
伊勢海老や鯛、スズキ、本ミル貝などをお造りで。
ホタテよりもっと歯ごたえのある平貝を、のりの上にのせて、白髪ねぎをトッピングし、磯辺焼き。
大あさり真上、カサゴの煮付け、渡り蟹。
カラリと揚がった目板鰈の唐揚げはバリバリと頭からいただけました。


季節によって、さまざまな地魚が味わえるので、年間を通じて訪れるリピーターも多いといいます。
夜食には、特製ふぐのおむすび「福む寿び」も用意されていて、最後まで、大満足でした。

展望大浴場に注がれるお湯は、天竜川の伏流水。温泉ではありませんが、肌触りはやわらかく、くせのないお湯で、ゆったりと入ることができます。湯上り処にも同じ伏流水で煮出したおいしい麦茶が用意してあって、湯上り後の休憩を楽しむことができます。


翌日も、日本旅館ならではの、優しい朝ご飯――

土鍋で炊いたぴかぴかのご飯と、名物の大あさりの味噌汁、太刀魚といかを細かく切り、ネギと生姜を加えて豪快に混ぜ合わせた、漁師料理「かっさば」、ほうれん草、しらす、さんま、玉子焼き、豆腐あんかけなど――

が待っていました。

ゆるりとした時間が流れる、非日常のひとときを味わうのに、ちょうどいい宿でした。

角上楼

愛知県田原市福江町下地38
●全10室(本館6室、別館4室)
●1泊2食円21,000円〜(一人宿泊可)
●IN 15時/ OUT 10時
●日帰り入浴 不可

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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