温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第69回】大正ロマンの宿へようこそ〜花屋〜(長野県・別所温泉)

<<   作成日時 : 2012/04/15 23:05   >>

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多くの文人墨客が訪れた別所温泉は、文化の香り漂う温泉場。

別所線の沿線一帯は「塩田平」と呼ばれ、鎌倉時代から室町時代の文化財が多く残り、“信州の鎌倉”ともいわれています。古くは“七久里の湯”と呼ばれ、平安時代の随筆『枕草子』にも登場する古湯で、温泉街には石湯、大師湯、大湯の3つの共同湯も残っています。

床柱、天井、欄間など
宮大工の手仕事を間近に


画像別所温泉駅から最も近い「花屋」は大正ロマン漂う純和風建築の宿。
大正5(1916)〜6(1917)年に建築された木造平屋一部2階建てです。

「花いっぱいの宿にしたい」との思いから「花屋」と名づけられたこの宿には、四季を通じてさまざまな花がお目見えします。春の庭にはあんずや桜、ツツジやサツキなど次々に花が咲きます。

また、敷地内にある「山花苑」では4月はクリスマスローズやカタクリ、福寿草、座禅草、5月は敦盛草や山ユリ、笹ユリ、6月には二人静などさまざまな山野草と出合えます。

画像敷地は6500坪(建坪1500坪)。中庭の池の上に渡された回廊を歩き、客室へ。建物の8割が国の登録有形文化財に指定されており、宮大工の匠の技が随所にちりばめられ、館内はさながら博物館のよう。

客室は、一室ずつ間取りも造形も異なり、21番の客室には新潟の遊郭から移築した、築100年以上の天井が使われていたり、23番の客室の床柱は、竹に見たて、笹とたけのこ、かたつむりの一刀彫が施されていたりと、滞在するのも楽しいお部屋。照明のランプシェードも洋風で凝ったものが使われています。

朝食会場(兼ラウンジ)は、釘を1本も使わずに組まれた松の木の太い梁と柱を露出させ、漆喰の壁と調和させた独特の空間。和と洋が見事にマッチしています。

鮮やかなステンドグラスと
大理石が生み出す極上の湯殿


画像内風呂はレトロな雰囲気。「大理石風呂」は、開放的なアーチ型のヴォールト天井で、欄間窓には大正時代のステンドグラスがはめこまれ、床や壁まで大理石が使われた、温かみのある内湯。青い伊豆石でできた「展望風呂」と時間によって男女入れ替え制です。

お湯はpH8.8、無色透明の単純硫黄泉です。毎分112リットルの湯を分湯し、湯量を絞って温度の調節を行い(夏季は加水)、かけ流しで使っています。入るとはじめはつるつるする感触ですが、次第にしっとり。入浴後はサラサラで、時間の経過とともに感触も変化していきます。適温ながら、保温効果も高く、芯からぽかぽか。

浴場の湯口にはコップも置いてありました。口に含むとほのかな硫黄臭。甘くてまあるいお湯は、飲むと痛風、便秘、糖尿病に効果的だそうです。

別所温泉の今年の桜の開花は、4月20日前後。ちなみに、13室ある離れのお部屋は源泉かけ流しの内湯付きで、お風呂から窓を開けて桜が眺められるのは81番のお部屋。お隣の80番は秋のシーズンの紅葉がきれいだそうです。季節限定の眺めを愉しむのもいいですね。

花屋

長野県上田市別所温泉169番地
●全43室(温泉付き離れ13室)
●1泊2食15,850円〜
●IN 15時/OUT 11時
●日帰り入浴 不可

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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