温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第55回】悪い「気」を落としてリフレッシュ〜神乃湯〜(長野県・毒沢鉱泉)

<<   作成日時 : 2011/09/14 23:50   >>

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画像湧き出たときは無色透明。加熱すると、黄金色に輝く神秘の湯。

「毒沢鉱泉」というおどろおどろしい名前からは想像できない、オレンジ色にも黄金色にも見える、美しい色の温泉です。

神乃湯」は下諏訪から中山道を和田峠方面に進み、左に折れて急坂を登っていった先にあります。標高980メートル。「神乃湯」も含め、全部で3軒の宿があります。


“信玄の隠し湯”ともいわれた薬湯

画像「神乃湯」の開業は昭和12(1937)年。

初代・正衛さんが夢枕で神様のお告げを受けて、鉱泉を沸かして入ったところ、医者に見放されたわが子の病気が治ったことから、「神乃湯」と名付けたといいます。戦国時代には、“信玄の隠し湯”ともいわれ、戦前には鉱泉水そのものが売薬許可を受けた歴史もあり、効能高い薬湯として、多くの湯治客が訪れました。

岩の間から浸み出す鉱泉はpH2.5、酸性の含鉄-アルミニウム-硫酸塩冷鉱泉。明礬と緑ばん泉の成分を持つ珍しい泉質で、皮膚をひきしめる収斂作用と殺菌効果が高く、口に含むと、渋み、苦み、炭酸味が混じったような独特の味がします。いろいろな成分が混じっている複雑系で、これまで味わったことのないような、えぐ味が強くとんがった味がしました。

「温泉は地面からブレンドされて出てくるブレンディッド漢方薬です」と館主の小口富明さん。大学で細菌学を学び、薬剤師、鍼灸師、温泉療養指導士など健康のプロフェッショナルな資格も持つ人です。

「温泉は本来、疲れて溜まった悪い『気』を落として、元気をもらう場所ですが、この地は龍神様が守り神で、とくに悪い『気』を落とす力が強いようです」。宿には、「龍神様に導かれてやってきて、湯治をしたら病気が治った」など、不思議な話がたくさんあります。

そんな神秘的な温泉は、男女ともに大浴場が1カ所。高野槇の木の浴槽に、温かい湯と冷たい湯の2つの浴槽があります。源泉温度は外気によって左右されるので、冷たい源泉の方は冬場は入れないほど冷たくなりますが、寒い季節以外は、温かい湯と冷たい湯の交互浴が楽しめます。

画像小口さんに、温泉の入り方や宿の目指す方向性について尋ねると、「温泉も食べ物も感謝すると、そこからエネルギーがもらえます。病気になるのは、病気の種を蒔いたから。気づくことでよくなるので、神乃湯はそんな気づきの場所にしたいですね」と話してくれました。

お料理も、ひとつひとつ丁寧につくられた、心のこもったもの。夕食は、梅干しを干す大きな竹ざるを使って、見た目にもきれい。自家製ピーナツ豆腐、鰻の肝焼、そばの実の卵とじ……。胃腸に良さそうな、ヘルシーな山里料理です。

いい湯といい料理、そして龍神様に出合いたい人におすすめのお宿です!

(ワンポイント)
長く湯治宿として営業してきましたが、平成13(2001)年に改装し、トイレ付きの客室もできました。クーラーはないですが、夏場も扇風機のみで十分に過ごせる自然の中の宿です。ちなみに、湯治宿の面影が残ってか、布団は自分で敷きます。


神乃湯

長野県諏訪郡下諏訪町社7083
●全14室
●1泊2食9,600円〜
●IN 15時/OUT 10時
●日帰り入浴 可(700円、10〜21時、土曜、祝前日は〜15時、不定休につき、入浴は要問い合わせ)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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