温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第40回】美人女将のいる宿C 〜古久屋〜(長野県・渋温泉)

<<   作成日時 : 2011/01/27 22:10   >>

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石畳の渋温泉街の中ほどに立つ「古久屋」は400年の歴史を持つ老舗宿。

この宿には6本の源泉を一堂に集めた「福六の湯」というおもしろい浴室があります。
6つ並んだヒノキの浴槽に異なる源泉がなみなみ注がれ、お湯の入り比べができるんです。

今回の女将は、柔らかな物腰が印象的な小根澤恵理子さん(54歳)。ここ数年増えてきた外国人客にも流暢な英語で対応する、国際派女将です。

スノーモンキーブームで
外国人客が急増

―― 今日も外国のお客様が多いですが、もともと英語は得意だったんですか?画像
小根澤 得意というほどではないんですが…(笑)。結婚して30年も経って、こんなに英語を話すようになるとは思わなかったですね。娘が外国人(古久屋でZENマッサージを行うセラピストのゼノさん)と結婚したので、英語を使わない日はありません。

―― ゼノさんが宿に入られて、外国のお客様が増加したんでしょうか?
小根澤 2007年12月にゼノが宿でマッサージを始めたのと地獄谷のSnow Monkeyブームが重なって、一気に増えました。ウェブ上に「Zeno’sGuide」を公開したこともあって、「お陰でここまでたどり着けたよ」とおっしゃっていただくことが多くなりました。外国からのお客様はオーストラリアやアメリカ、シンガポールなどが多いですね。

―― 女将さんの1日のスケジュールは?
小根澤 忙しいときには7時過ぎには宿に出てきて、朝食出しを手伝います。通常でも8時には宿に出ていますね。お客様のお見送りをした後、午前中にミーティングを行い、スケジュールを再チェックし、各部署へ連絡事項などを伝えます。客室係や厨房など個別に伝達することもありますが、なるべく全体で情報共有できるように、ミーティングの場で伝えるようにしています。

―― 古久屋の歴史は?
小根澤 もともとは「穀屋」といいまして、米問屋でした。今、石畳になっている渋温泉のメインストリートは旧草津街道で、江戸時代には旅人が馬や籠に乗って、草津へ向かう道でした。旅人が往来し、共同浴場に入り、宿泊するようになって、自然発生的に旅籠ができていったんですね。古久屋の歴史は400年。渋温泉では一番古い宿だと思いますよ。というのも、渋温泉には先祖代々、襲名している宿が8軒あるんですが、うちの主人は16代目「小根澤市左衛門」。ほかの宿は12代目とか13代目なので…。

―― 宿に入られたのは何年前ですか?
画像小根澤 32年前です。学生時代の夏休み、短期留学先のアメリカで主人と出会いました。私の実家は東京ですが、主人も東京の大学に出てきていたんです。卒業して2年間は銀行員をしていましたが、結婚してまったく知らない土地にやってきました。

―― 宿に入ってとまどったことはありますか?
小根澤 まず、時間が不規則ということですね。朝、起きぬけに宿に出て、お客様のお見送りなどをしていると、朝・昼食一緒なんてこともざらです。お昼ご飯を逃して、お腹ペコペコのまま夜になってしまったり…。お嫁に来たばかりのときは、「なんでもいいから早く食べて、寝たい!」と思いましたね(笑)。今は、夜遅くに食べるのも慣れました。寝るのはだいたい1時くらい。24時前に就寝できることはありません(笑)。

―― 毎日、着物を着られているんですね。
小根澤 朝はパパっと二部式着物を着て、夕方、着物に着替えます。着物には10分くらいで着替えられますよ。

宿の中で湯めぐり!
温泉パワーを実感して

―― 古久屋には9湯14槽とたくさんのお風呂がありますが、初めからこんなに多かったんですか?画像
小根澤 お嫁に来た32年前には、パブリックの大浴場が3つ、貸切風呂が2つでした。源泉は今と同じ6本で、湯量も毎分400リットルと十分な量があったのですが、使わずに捨てていたんです。10年ほど前、露天風呂ブームのときに、「露天風呂がない」という理由で、予約を取り消されることが何度も続いて、平成10(1998)年、「華清の湯」と「一茶の湯」の2つの露天風呂を作りました。さらにユニットバス付きの客室を露天風呂付き客室に変えたらすごく売れたので、それから毎年、少しずつ工事をしていましたね。

―― 異なる6つの源泉に入れる「福六の湯」や源泉が見られる「源泉見学窓」などのアイデアはどなたの発案なんでしょうか。
画像小根澤 主人です。「福六の湯」は「6本の違う種類の湯を入り比べたら楽しいんじゃないか」ということで、物置きだったところに平成15(2003)年に作りました。加水も加温もせず、何の手も加えていない本物の源泉に浸かれるということで、温泉好きな人は喜ばれますね。「源泉窓」は、源泉(ぬるまの湯)が宿の真下から湧いているので、平成16(2004)年、廊下に穴を開けて、50cm四方の強化ガラスをはめこみ、巨岩の隙間から川になって流れる源泉を見られるようにしたんです。

―― 石畳の温泉街には「温泉玉子」も似合いますね。
小根澤 宿の真下から2本の源泉が湧いていますが、そのうちの1本は温泉玉子を作るのに適した約70℃の源泉だったので、「道行く人に楽しんでもらいたい」と手水鉢に卵を入れて平成11(1999)年から販売しています。50円のうち20円は卵代、30円は山ノ内町の社会福祉事業に役立てていただくように寄付しています。昨年は約1万7000個を売りました。GWやお盆シーズンにはすぐに売り切れてしまうので、「あと30分お待ちください」と貼り紙を貼ることもあります(笑)。

―― 温泉玉子は、とろけるような食感でおいしいですよね。
小根澤 70℃のお湯に30分浸けると温泉玉子が出来上がりますが、不思議とそのまま浸けていてもそれ以上固くならないんです。温泉は体の芯から温まるといいますが、それは温泉玉子で実証されています。鍋で卵をゆでると、白身から固まりますが、温泉だと内側の黄身から固まって、白身はいつまでも半透明でぷるぷるです。温泉玉子をみていると、温泉パワーを実感しますね。

古久屋

長野県下高井郡山ノ内町渋温泉
●全19室
●1泊2食19,050円〜(一人宿泊可+10,000円)
●IN 15時/OUT 10時
●日帰り入浴 不可

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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