温泉ライター 野添ちかこのお湯の数だけ抱きしめて

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RSS 【第14回】山里料理・オブ・ザ・イヤー2009 〜白根館〜(山梨県・奈良田温泉)

<<   作成日時 : 2009/12/28 09:10   >>

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画像今年、私が行った宿の中で料理が素晴らしかったのが、ここ奈良田温泉・白根館。

キノコや山菜、川魚などは素朴なゆえに、調理法によっては味気ないものになってしまうことも多いですが、ここの料理は天下一品。

料理のおいしさの秘密は、この地が焼畑から狩りや漁、機織りや保存食づくりまで何でもこなし、山村の暮らしを守ってきた歴史によるところが大きいようです。昔から、「山で生きるにはマンノウガン(万能丸=何でもできる)でないといかん」と言われていたそうで、現在でもその力強い山村の遺伝子が土地の生活に息づいています。

エメラルドグリーンの湯は
つるつる美肌の湯


南アルプスの急峻な山懐に抱かれた、奈良田の里。
奈良時代に、女帝・孝謙天皇が夢のお告げでこの地を訪れ、温泉で病を癒したという伝説も残っています。

画像現在の奈良田の里は十二戸ののどかな集落。「白根館」は集落から少し離れた早川沿いにあります。

ここの温泉はとても個性的です。
まずは色。写真では伝わりづらいかもしれませんが、太陽の光を反射して、目にも鮮やかな癒しの緑、宝石のようにきらきらと輝くエメラルドグリーンです。含まれる成分の変化か、気候や温度のせいかは不明ですが、日によって白濁したり無色透明になったりする不思議な温泉です。

そして、肌触りに二度びっくり。このあたりに湧く温泉は全体的につるつる感の強い温泉が多いですが、pH.8.8とアルカリ度が高いためか、適度に含まれる硫黄成分のためか、本当につるつるです。浴槽は木造りですが、浴室を歩くときにつるっと滑ってしまうほど。浴槽は風情ある木造りで、清潔感もあります。浴槽は3カ所ありますが、時間によって入れ替え制。泉質は含硫黄−ナトリウム−塩化物泉です。

エメラルドグリーンの湯は浸るだけでももう大満足ですが、お湯の効果もかなりのもの。
「『持って帰って化粧水代わりに使っていたらしみが薄くなった』なんていうご婦人もいます」と白根館の深沢守社長(60歳)。

現役のまたぎでもあるご主人は、狩りに出かけ、猪や鹿、山鳥など夕食に出す食材を仕留めてくることもあります。「先日は一人で猪を4頭ゲット、持ち出すのに7時間かかってバテバテだったよ(笑)」。

画像夕食に並ぶのは、みずの実や花びらたけ、サトイモのねぎ味噌和え、生ゆばや手作りこんにゃく、揚げたそばがき、しいたけのフライ、できたてのにじますの燻製など。塩だけで仕上げた燻製は添加物ゼロです。素朴で素材の味が生きています。

びっくりするほどおいしいのが、岩魚味噌。岩魚を素焼きしたものを乾燥させてから砕いて、味噌と合わせたものですが、この味噌がめちゃくちゃおいしい。「一軒一軒の家で個性があって、ヤマメや山鳥の骨を砕いて入れる人もいるんだよ」とご主人。岩魚味噌を肴に日本酒をちびちびやるのもいいですし、これだけでご飯が進みます。

画像朝は定番の温泉粥。温泉に含まれる塩分と硫黄分が天然の味付けをしてくれて、ちょうどいい塩加減です。この日のトッピングはさつまいもでしたが、秋にはキノコ、春には山菜と季節によって異なる粥が味わえます。香りや彩りにこだわった素敵な朝ご飯に巡り合えることでしょう。
静かな山の中の温泉という立地だからか料金が安く、料理の満足度を考えるとかなりコストパフォーマンスの高い宿だといえると思います。

白根館
 
山梨県南巨摩郡早川町奈良田344
●全13室
●1泊2食11,150円〜(一人宿泊不可)
●IN 13時/OUT 10時
●日帰り入浴 可(1000円、13〜17時)

※掲載情報は変更になる場合もございます。
ご予約の際には、必ず内容をご確認ください。

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